約 4,290,449 件
https://w.atwiki.jp/222seihaisensou/pages/96.html
その人影は日傘を差した小さなものだ。 狭い様で広い冬木市の、ほぼ同時刻、至る箇所で。 その小さな影があまたの人々に観測された。 時間にして一秒程だろうか。瞬きする間に現れて、瞬きする間に消えている。そんな影だった。 その影に注意を払う人間はほとんどいなかった。皆自分のやるべきことで忙しいしのんきにしている者はただの目の錯覚などと自分を納得させた。 唯一、その影のことを夜寝て朝起きて覚えていたのは、その影の頭に猫耳が着いていたことを一瞬のうちに目に焼き付けた、ごく一部の人間だけだった。 喰らう。 頬張る。 貪る。 形容する言葉は多様にあれど、高遠いおりがしていることは至極単純であった。 すなわち食事。栄養補給。人間ならば欠かせぬ生理現象であり最も原始的な欲求の発露。 れんげでリゾットをとり、吐く息で冷まし、舌の上におくと猛烈な勢いで咀嚼して炭酸飲料で飲み下す。この単純作業を狂ったように繰り返していた。 「おかわり!」 叫びながら皿を掲げる。俺はもっと食えると。もっとこの料理を寄越せと。堂々と言動で誇示する。 「あんまり食べ過ぎると、おなか壊すよ。」 言葉とは裏腹に、ランサー・アリシアは嬉しそうに皿を受けとると盛りつけた。 彼女としてはマスターであるいおりの体調は大きな心配をもって注視していたが、この食べっぷりならば大丈夫だろうと判断できるものだ。そのペースはとても先ほどまで熱中症で死にかけていた人間のものではない。普通なら脳と胃か拒否して吐くであろうにもいおりはお構いなしに胃へと濁流のように叩き込んでいった。 いおりから目を離すと、ランサーはちらりと鍋を見る。大人三人前分を作った気でいたがどうやら足りなかったようだ。既に半分を切っている。この勢いならば全て食べきってしまうだろう。 しかしこれは困りものだ。この家には、野菜や魚などの生鮮食品はもちろんハムやバターなどの加工食材もほとんど無い。驚くべきことにパンは一つもなかった。カップ麺なる糧食のようなものはあったがそれでは一月を過ごすのは難しいだろう。なんとかして調達する必要がある。 いおりががっつく音をBGMにランサーは考える。食事は大切だ。特にマスターは育ち盛りの子供、なんとかやりくりしなくてはならない。軍人とて一日食べられないだけでどれだけ悲惨なことになるか知っているだけに、ランサーは真剣に考える。街の外れに畑のようなものが見えたが、市場はどこだろうか?そんなことを考えているとシュワシュワという音が聞こえた。あのサイダーを注いでいるのだろう。病み上がりどころかまさに病んでいる人間が飲んでいいものとはランサーには思えないのだが、気付けのような効果があるのかもしれない。そのシュワシュワという音と共にれんげが皿を擦り頬張る音が聞こえた。なにも一辺にやらなくてもいいものを…… 「熱、ちょ、熱い!?」 さすがに注意しようとしたランサーの視線が、いおりの後で止まる。その視線を感じ、いおりもコーラを注ぎ終わると、キャップも絞めずに後ろを振り返った。 「ちょっと熱いんじゃないの?できたてだけあって美味しいけどさ。」 猫耳を生やした軍服の小さな影ーーシュレディンガー准尉はそう言うと不敵に笑った。 咄嗟にライフルを出そうとして、アリシアは踏みとどまる。謎の猫耳サーヴァントがいるのは、いおりの真後ろ。つまりこの状況、マスターを人質に捕られ盾にされている。そしてアリシアのとれる攻撃手段は、この場合ライフルしかない。本来ならばサイドアームを使いたい局面だがあいにく召喚されるに当たってオミットされてしまっている。手榴弾なら使えるがそんなものを使えばいおりどもども死んでしまう。宝具に至っては論外だ。 「賢明だね。」 ニヤニヤと笑いながらいおりの頬を突っつくサーヴァントをランサーは睨む。この状況、完全にランサーのミスだ。 追跡を受けている可能性はいくらでもあった。何事もなく目が覚めたことから幸運にも捕捉されなかったと思い込んでいたが、実はずっと見張っていたのだろう。なのにその目論見に気づくどころか警戒すらしていなかった。 思わず伏せそうになる目を、力を込めて前へ向ける。冷静に考えれば、マスターを殺せるチャンスはいつでもあったのに殺さなかったことがわかる。この行動にも意味があるはずだ。 だが。 ランサーはいおりを見る。突然自分の後ろにサーヴァントが現れたのだ。遠くから戦っているのを見ていた橋とは違い、矢面に立つのはいおりである。それがどんな影響を彼女にもたらすのかわかったものではない。 ランサーから顔を背けるように向いた横顔からは、感情を伺うことはできず、それがランサーの不安に拍車をかけた。 「服を着てもいいか?」 ポン、といおりは固唾を飲んでランサーが見守るなかそんなことを言った。 これにはランサーもサーヴァントも驚いた。まさかこの状況で服を着ようとするとは予想だにしなかった。 「ベネシュだってサインする時は格好をつけたはずだ。そうだろーー」 「ヒトラー・ユーゲントさん?」 「ーー君、話せそうだね。」 サーヴァントが猫耳からイヤホンをとると懷からタブレットを取り出す。 「直接話した方が早いね」と言いつついおりから離れると、顎で部屋の扉を差した。 「先程はこちらの大使が失礼した。食事中に、しかも半裸の状況とは、思いもよらなかったんだ。」 「次からは家に入るときは玄関からにしてほしい。おまけにコイツ俺のリゾットを食いやがった。」 「ハハハ、もっともだ。つまみ食いはいけないなあ。」 「えーだって美味しそうだったし。」 「准尉謝りなさい。」 「はーいすいませーん。」 「私からも謝ろう。後で菓子織りの一つでももっていかせよう。」 「いつ頃になりそうだ?」 「君が望むなら今すぐにでも。」 「それはいいな。」 小学校の制服に着替えたいおりは、後ろにランサーを立たせるとタブレット越しにライダー・少佐と会話していた。 場には、否応なく緊張感が漂い、湿っぽい日本の夏であるにも関わらず喉は乾燥していく。いおりは動揺を圧し殺すとコップにコーラを注いで一口含み、口中で転がした。炭酸の刺激が、強制力をもって覚醒へと導く。 「まどろっこしいのは無しによう。ライダー、こっちはダンツィヒを渡す気はない。」 トンと音を立ててコップを置きいおりがキッパリと告げる。サーヴァントーー准尉ーーが来た意味を考えれば、最後通牒ではないはずだ。 恐らく彼(?)は同盟を結びに来たのではないか?それがいおりの予想だ。いつの間にか背中をとったにも関わらずただ挑発するようなことだけをしたのは、その証明ではないか。それにご丁寧に着替えを待った。 ようは、自分は試されているのだろう、と。 「面白いな。そうか、面白い。」 啖呵を切ったいおりに、冷静にライダーは笑った。笑いながら同じようにコーラをコップに注ぐ。画面一面に広がる白い腹を揺らすと。 「それは教育の賜物か?」 「どういう意味だ。」 「君はやけに我々について詳しいと思ってね。嘆かわしいことに、君より十も二十も年上の人間ですら、我々のことをよく知らないという。全く民主主義には困ったものだ。信じられるかね?彼らは子供の挙手の方法まで変えてしまったのだ。まるでナチだな。」 「この国も似たようなものだ。国歌も歌わなければ国旗も掲げない。」 「その年で国を憂えるかね。」 「ただの普通の愛国者さ。それよりも早く本題を。」 「時間を無駄にした。では提案しよう、我々と同盟を「組もう。名前は枢軸でどうだ。」君凄いノリノリだな。逆に引くわ、まあいいけど。」 間髪いれずというレベルではない。 まさに食いぎみ、いや、食っている。 いおりはライダーが『同盟』という言葉を発した瞬間、受諾。提案から一秒も満たぬ間に、ここにライダー ランサーによる同盟『枢軸』が締結されたのだった。 「じゃあまた三十分後に来るんで。リゾット美味しかったよ。」 その言葉を残してシュレディンガー准尉は消えた。時計の秒針がゆっくりと、刻む。その回数が百を越えたあたりで「テレビをつける」といっていおりは席を立った。 どのチャンネルも冬木市を映していた。でかでかとテロップが踊り、空撮と思わしき映像もあった。 『アリシア。』 テーブルに着くと、再びコーラを注ぎ、煽る。ザッピングしながら念話が始まった。 『やべえよあれナチだよナチ!思いっきり腕章してたし。それになんで猫耳なの!?ナチスで猫耳て属性盛りすぎじゃない!?』 『い、いおり!?どうしたのいきなり?』 『だってそれは、それはあの猫耳がまだ近くにいるかもしれないし。ていうかあんな奴等とシラフでやりあうのは無理だって!「陸軍は反対である」的なテンションじゃないときついって!』 『……凄い演技力ね。』 『かっこよくがんばったんだよ相手ナチスだし。あの猫耳の目同盟組まないって言ったら「働けば自由になれる場所行きな♪」て感じだったし。それとーー』 「なんでこんなにそこらじゅう爆発してんだよふざけんな!しかも爆破予告てなんだよ!自衛隊なにしてんだ!こういうときの防衛予算だろォ!!」 【新都・高遠いおりの自宅/2014年8月1日(金)1329】 【高遠いおり@一年生になっちゃったら】 [状態] 魔力消費(極大)、衰弱(小)、精神的疲労(中)、満腹、当分寝なくていい。 [残存霊呪] 2画 [思考・状況] 基本行動方針 死にたくないし死なせたくない。 1.ナチスはやべえって。 2.なんだこの爆弾騒ぎ!? 3.バーサーカーのマスター(イリヤ)が心配。 4.あの娘たち(茜と幸村)は逃げ切れたよな? 5.明日の正午、冬木ホテルに言ってアサシンと話す? [備考] ●所持金はほぼなし。あっても幼稚園児レベル。 ●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。 ●ランサー(幸村)、バーサーカー(サイト)、アサシン(扉間)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスと一部スキル、宝具を確認しました。 ●シュレディンガー准尉のステータスを確認しました。 ●ライダー(少佐)と同盟「枢軸」を組みました。1400に家にシュレディンガー准尉が来ます。その場で再度同盟について話します。 【アリシア・メルキオット@戦場のヴァルキュリア】 [状態] 筋力(5)/E、 耐久(5)/E+、 敏捷(10)/D+、 魔力(10)/C+、 幸運(50)/A、 宝具(40)/B 全身の至るところを骨折・打撲、魔力消費(大)、魔力不足によりステータス低下、魔力供給がほぼストップ。 [思考・状況] 基本行動方針 まだ良くイオリのことを知らないけれど、マスターを生きて元の世界に帰す。 1.ライダー達を警戒。 2.もっとイオリ(マスター)のことを知りたい。 3.できればランサー(幸村)とそのマスター(茜)にもう一度会って同盟を組みたい。 4.アサシン(千手扉間)とも話をしたい。 5.バーサーカー(ヘラクレス)とそのマスター(イリヤ)の安否が気にならなくもない。 [備考] ●マスターの本名が高遠いおりだと思っています。また六歳の女の子だと思っています。 ●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。 ●傷を若干治癒しました。 ●現代の家電が使えるようになりました。 「ただいま~。いやー生きた心地しなかった~。あのランサー、目がSSだったよ。」 「御苦労准尉。これで更に同盟の輪が広まる。しかし……」 少佐はふーっと、輪郭を緩ませた。 「やべえよあの幼女。普通の愛国者なんて言葉使うとかどんだけ教育されてんだよ。え?あんなん少佐知らないよ?少佐の知ってる日本と違うよ?」 「少佐、ベネシュて誰?」 「あ?あー、ええーと、確かチェコだかスロバキアだかの大頭領じゃなかったか?俺でも忘れてるような政治家ポンと出てくるとかアイツ何者だよ。てか准尉もこっちに振るなって。」 「それっぽいこと言ってるから適当に相槌打って少佐に廻せばなんとかなるかなって。」 脂汗を流しながら会話する二人は、どんどん話を脱線させていく。適当になった絵面は暫く戻ることはないだろう。 「そういえば他に同盟相手いるって言ってなくない?」 「またすぐ行くんだからそのとき話しとけ。それよりさっきの偵察の報告をだな。」 「あんな一瞬じゃあ無理だって紫外線キツいし。」 「だから日焼け止め濡れっつってんだろ!」 「ベタつくからヤダ!」 【新都・冬木ハイアットホテル13階4号室/2014年8月1日(金)1329】 【ライダー(少佐)@ヘルシング(裏表紙)】 [状態] 筋力(5)/E-、 耐久(5)/ E-、 敏捷(5)/E-、 魔力(10)/E-、 幸運(5)/E-、 宝具(5)/E-、 健康、令呪使用により魔力倍増。 [残存令呪] 8画 [思考・状況] 基本行動方針 聖杯戦争を楽しみ、セイバー(アルトリア)を嫁にする 1.爆破予告で他の主従をあぶり出す。ルーラーはどのように動くか…… 2.サーヴァントと交渉をしたいが……。 3.目的達成のためにルーラーを排除する策を練る。 4.マスター『も』楽しめるように『配慮』。 5.令呪を使った『戦鬼の徒』の召喚を試みたが‥‥まだ目立った変化は見られんか。 5.仮面ライダーにドラえもんか…… 6.准尉にも指示をだす。場合によっては今日『最後の大隊』を出すか。 [備考] ●マスターと同等のステータス透視能力を持っています。 また、『戦鬼の徒』で呼び出したサーヴァントと視界共有を行えますが念話はできないようです。 ●ライダー(五代雄介)の非変身時、マイティ、ドラゴン、タイタン、ライジングドラゴン時のステータスと一部スキルを確認しました。 また仮面ライダーであることを看破しています。 ●ルーラーの特権の一つがサーヴァントへの令呪であることを確認しています。 他にも何らかの特権を複数持っていると考えています。 ●セイバー(アルトリア)のマスターが遠坂凛であることを把握しています。 ●令呪を使って『戦鬼の徒』を使用することで戦鬼の徒の宝具、スキル等を再現できるのではないかと考えており、召喚したトバルカインで実験するつもりです。そのために場合によってはドクの召喚も考えています。 またこの考えは外れている可能性もあります。 ●予選期間中に他のマスターから令呪を多数強奪しました。 ●出典が裏表紙なので思考、テンションが若干おかしなことになっています。少佐の周囲にいる人物も場合によってはおかしくなります。 ●予選の間にスマホや現金を調達していたようです。 ●ありすとのパスが深まりました。 ●ランサー(アリシア)達と同盟「枢軸」を組みました。1400にシュレディンガー准尉を家に向かわせます。 ●以下の怪文書が新都の警察署を中心にばら蒔かれました。 冬木市のリトルボーイへ メリークリスマス! あわてんぼうのサンタクロースだ 本当は6日に冬木大橋に、9日に冬木中央公園にプレゼントを届けようと思っていたんだが、日付を間違えてしまった かわりにたくさんプレゼントを用意したんだが、喜んでもらえたかな? なに?足りない?安心してくれ、まだあとプレゼントは7基ある 冬木教会 冬木ハイアットホテル 冬木病院 冬木中央図書館 月海原学園 穂群原学園 マウント深山商店街 今日の夜15時に届けにいこう そうすれば地上に太陽ができたときによくわかるだろう 届けにいくまで良い子でいておくれ サンタクロースは恥ずかしがり屋なんだ 家から出る子はお仕置きだ 第三帝国のファットマンより p.s. 親愛なるアルトリアよ 私は君がほしい もし君に会えたなら プレゼントは君だけのものだ 先の大戦で君はいつエミヤと会った? そこで私は待つ 文字の背景には鉤十字が描かれています。最大で【破壊工作 A-】の効果を持ちます。 【シュレディンガー准尉@ヘルシング(裏表紙)】 [状態] 筋力(10)/E、 耐久(20)/ D、 敏捷(10)/E、 魔力(40)/B、 幸運(5)/D、 宝具(0)/、 魔力消費(微)。 [思考・状況] 基本行動方針 少佐と聖杯戦争を楽しむ。 1.リゾット美味しかったな…… 2.1400にランサー達の家に行く。 [備考] ●冬木市一帯を偵察しました。何を目撃したか、誰に目撃されたかは不明ですが、確実に何人かの記憶に残っています。
https://w.atwiki.jp/kakite3/pages/101.html
書き手として物語を綴る上で最も大切なものは何か? 私は即答する。 それは『愛』だと。 愛さえあれば何を憚ることはない。 終盤参加だろうが恐れ、迷い、その上で飛び込んでいける。 クオリティに自信が無い? 大丈夫だ。 キャラへの、原作への、パロロワへの『愛』さえあれば、自ずと『愛』に追いつこうと腕は磨かれるものだ。 一部のキャラ信者がやるような自慰行為ではない。 キャラ達が置かれた苦難や絶望すらも尊び、包括し、その先を示すこと。 それが、『愛』なのだ。 紹介が遅れた。 私の名は◆2PGjCBHFlk――語り写し叫ぶ愛情《ラヴ・アヴェスター》。 ロワへの『愛』を予約に込め、キャラへの『愛』を作品に込め、己が『愛』をタイトルに込める男である。 「なななななななななな、なぁぁぁぁぁぁぁんとっっっっ!? 貴様は、いや、あなたが! あの過疎期のアニロワ2を救った稀代のラブ氏となっ! 何たる光栄、何たる幸運! やった……やったのである! 我輩はついについに書き手2ですら成し遂げられなかった領域を踏破したのである! 思い起こせば一年ほど前。 書き手ロワが発足した時は当時の書き手紹介に乗っていた書き手のみが参加であった。 だからこそ、我輩がエピローグで書き手3の世界に引きずり込まれる多元宇宙があっても、死者スレに出張しても氏に会うことはできなかった。 この我輩の超展開をもってしても! チーート全開の書き手ロワにおいてさえ『ぶっちぎってんなw』と評された我輩でさえも! おお、それは何たる不幸、なんたる悲劇っ! 我輩、我輩、流した涙でMAPに一つ海のエリアを増築できそうであるっ! だがしかし、だがしかああっし! 天は我輩を見捨ててはいなかったあああ! 否、見捨てれるはずがないのであるっ! 天才とは天に選ばれた才能の持ち主! 故に我輩には神の加護が付いているのである! 星に願いよ、媛星キラリ☆ って、そうだったのかあああああああ! それではこの書き手ロワ3は我輩の手によって開かれたということであるかー!? 恐ろしい……恐ろしいぞ! 我輩は己の才能が恐ろしいのである! 我輩こそが超展開の王!!世紀の天才!! 一億年に一度と呼ばれた天才、ドクタァァァァァ・ヨッミィイイイーーー!! む?よく考えたら一億年では世紀どころでないのであるっ!?まずい、まずいであるぞ!?NO-------!!」 そんな私の前で何やらくねくねのたうっている一つの物体。 白亜の大理石を思わせる肉体が黒きラインで彩られている様はどこぞのギリシャの彫像のように美しい。 加えて補足しておくと、書き手2の主催者たるwiki管理人が変身したゼストは女性体だ。 この地では超神の肉体となっているユーゼフォンがユーゼスの顔をした神聖綾人なら、 WIKI管理人が変化したのは彼女がなりきっていた稲田瑞穂の顔をした真聖久遠なのである。 つまり、だ。 登場話からではわかりにくいことこの上なく現に彼扱いされてしまったが、書き手ロワWiki管理人の最終形態と同じゼストであるこの書き手ヨッミーは ――女性なのである。 私が若干引き気味なのも当然だ。 ドクターウェストなノリで真っ裸で羽も生えてる稲田瑞穂顔な女神像。 ぶっちゃっけもうこいつ存在自体が超展開だよと言いたくなるのをぐっとこらえ、本題を切り出す。 「サインならいくらでもあげますので、少し話を聞いてはくれませんか?」 「サインとな!? 我輩を更なる歓喜の境地へと案内してくれると! 任せるのである! さあ、泥船に乗り遅れたつもりで何でも我輩に聞くのであるっ! とはいえ我輩にも答えられない質問はあるのであって、ああ、あれは甘く切ない我輩の青春時代。恋と夢を天秤にかけたあの日。 後から乗せた我輩の科学への情熱の重さによって、ジャンプ台と化した天秤から飛んで行く恋心! 行くのである、誰も見たことのない宇宙の彼方へ!!あれ、なんか熱い!?た、大気圏!?ぎゃー!」 なんかどこまでも一人しゃべっていそうなヨッミーの言を聞き流す。 というかまともに相手をしていたら疲れることこのうえない。 ぶっちぎりな書き手だとは聞いてはいたが、なるほど、中身もかなりはっちゃけている。 だが、それでも。 『愛』の書き手である自らの勘が言う。 大丈夫だと。 彼女は自分が求めている回答を返してくれるだろうと半ば確信を込めて問いただす。 「あなたにとって書き手として物語を綴る上で最も大切なものは何ですか?」 「ふん、何を聞くかと思えばそんなことであるか。簡単過ぎる質問であるぞ、ラブ氏」 一転、それまでのはしゃぎっぷりが嘘のように静かになるヨッミー。 「答えは『愛』である」 果たして続く言葉はラブの期待通りのものだった。 「ロワに参加している作品をキャラクターを愛しえいるからこそ、彼らの命を書き綴る。自作の引用であるがな」 「では、あなたの言う愛とは? 書き手ロワ書き手であるあなたからすればその対象はキャラクターではなく書き手。 姿形もなく、目にも見えない偶像のような存在に過ぎない相手です。 ぶっちゃけ読み手色も強いあなたからすれば、作者が誰であれ面白い話を読めればいいだけなのでは? 仕上げとばかりに私は畳み掛けるがヨッミーは揺るがない。 「違う、それは違うであるぞ、ラブ。 我輩は書き手諸氏を敬愛している。 彼らが紡ぐ数々の物語に惹き込まれ、遂には読み手だった我輩に筆を取らさずには要られないまでの衝撃を与えた先人達。 その彼らに負けず劣らずの作品を描きあの手この手でいつも我輩を楽しませてくれている新規書き手。 もっともっと世界には面白い話があるのだとこの胸を高鳴らせてくれる未読の者。 全てが、全ての書き手とロワが大好きだと胸を張って言える。これが我輩の、書き手ロワ書き手としての『愛』である!」 条件はオールクリアだ。 ほくそ笑みある一つの計画を持ちかける。 「了承!!」 ヨッミーは快く彼の頼みを聞き入れた。 ♪ ――かくして、物語は急転直下に進行する。 ♪ 「さあ、年貢の納め時であるぞ、ゾフィー!」 ゾフィーは焦っていた。 それはもうすんごく焦っていた。 突如としてM78星雲に殴り込みをかけてきたのは、自分が倒したと報告したゼスト。 これはどういうことだ、ユーゼスはゾフィー隊長が倒したはずではなかったのかと一般ウルトラ人達は騒然となっている。 実際スパロワ事件(仮)をよく知るものからすれば目の前の人物はゼストと別物だとすぐにわかるのだが、 そもそもゾフィーの捏造に騙される程度の情報しか得ていない一般ウルトラ人にそれを求めるのは酷というものだ。 「君は、ヨッミー!?」 流石に当事者であるゾフィーはすぐに相手の正体を見抜き、その名を呼ぶ。 クロススレの常連でもある彼は、確かに目の前の女性の姿――というよりも無駄に高いテンションに覚えがあった。 しかし、理解できたのはそこまでだ。 自分が漁夫の利を狙っていた殺し合いに巻き込まれていたはずの参加者が、どうしてあっさりロワの舞台を抜け出して自らの前に立っているのか。 自分が当分かかるだろうと光の国に戻ってバカンスを楽しんでいる間に、まさかもう書き手3は完結してしまったというのか。 思った疑問をそのままゾフィーは口にする。 「いや、しかし君は新たなバトルロワイアルに巻き込まれていたはずだ。どうやってこの地に?」 「甘い、甘いであるぞ、ゾフィー! 我輩の力『チート頂上決戦 / 刻め、我が存在を!!』、 及び『此方より彼方まで』を併用すれば、宇宙空間に飛び出るどころか次元跳躍すらこのとおり! 大人しくスパロワ書き手が味わった屈辱! 倍返しにしたうえにお釣りは取っといて貰うとしよう! 倍返しでは許さん!この屈辱は万倍!万倍返しなのであーるっ! さらには+-で利子が付く予定。オラオラ、趣味を舐めるんじゃねえぞおおおお!」 ちなみにこのヨッミー、書き手や絵師やMAD職人さんや管理人さん以外が『書き手ロワ』に出るのを疑問視し、 書き手に準ずるものを除いて片っ端から意思持ち支給品を書き手2で破壊していたりする。 だからまあ、書き手さん関係以外による外部介入なんて問題外というわけで。 「レッツPLAYなのである、ゼスト! 禁じられた歌を! 捏造を暴き訴訟する歌を! 『THE GREATEST BATTLE』!」 額の真実の目も全開にし、巨大化したヨッミーがその全ての力を解き放つ。 ウルトラ兄弟が総掛りでなければ倒すきっかけさえ作れなかったゼスト。 それをも余裕で上回るエクシードゼストたる彼女を相手に、捏造に頼り己が力を磨くことを怠っていたゾフィーが適うべくもない。 ならばとスパヒロ時代よりも増えた兄弟達から力を借りようと周りを見渡すも、父も含め冷たい視線が降り注ぐのみ。 「ゾフィー兄さん……」 「おお、メビウスは分かってくれるか! 見ろ、奴はどう見ても偽ウルトラマン! 共にヤプールの陰謀を打ち砕こう!」 「じゃあ、後ろにいる人は、なに?」 「うし、ろ?」 唯一声をかけてくれたメビウスを、早速設定をでっちあげて懐柔しようとしたゾフィーは恐る恐る振り向いてみる。 目にしたのは一体の機神の姿。 頭部には炎を模した角飾りを。右手には全てを砕くショベルアーム。胸に輝くは鳳のエンブレム、背に煌くは白き翼。 自ら存在を誇示し宙に君臨する巨大な人型のロボット。 全体的にやや黄ばみがかっているが、幾つもの並行世界にでしゃばる計画を立てたゾフィーは知っていた。 「まさか!」 「ふはははははは!そう!これが我輩の新作、スーパーヨッミー無敵ロボ28号虎DX改――通称っ」 ゾフィーの驚愕に応えるべく、口上を述べる声は、言うまでもなくヨッミーのもの。 もったいぶるかのように一度タメを置き、彼は、己がデウス・エクス・マキナの名を声高らかに宣言する!! 「蝶火炎合体、スーパーファイヤーダクオン!!」 まんまパチモンです、ありがとうございました。 「馬鹿なっ!? 宇宙警察機構が介入してきたとでも言うのか!」 「っは、馬鹿は貴様であるぞ、ゾフィー!! 所詮、単なる捏造屋に過ぎない隊長の貴様がこの世紀の天才たる我輩に嫉妬するのはよぅぅく解るが、 だからと言って、現実から眼を逸らすのは良くないのであるっ! 貴様も知ってのとおりさっきまでは確かにこのショベルはただのとは言い難いが、ショベルであったのであるっ!! しかあ~し! 我輩の異能『そのチートに賭ける!!』と支給品『技術手袋』の手に掛かれば、 けろぴーをファイヤーショベルに改造することなぞ、朝飯前を通り越して夜食前に可能なのである! そしてここに来る前に関西空港やら交番やら消防車から現地調達したジャンボジェット機他も以下同文! ぬ? なんとおおーー、あまりにも速すぎて前日に戻ってしまったのである! 以下同文の部分も合わせれば4日前にタイムスリップ!? 我輩一体何時の間にタイムマシーンを完成させたのであるかあ!? 嗚呼、恐ろしい、我ながらなんて恐ろしい才能であるかあああ! って、おわ、あべしっ、タイムパラドックスが発生して世界が我輩を消そうとしているのである。 ぬおおおおお……だ、誰か……誰か、助け……たす……もはや、ここまでか……総員退艦……我輩は艦と運命を共にする……ガク」 ウェスト再現にしても長すぎるセリフに込められた意味を理解したゾフィーは茫然とする。 このキ○ガイ、ちゃっかりミニリピ時代の願望を書き手3で叶えやがったのである。 考えてみればもう自分以上に色々捏造してるんじゃね? 色々と言いたい事はやまやまだが、勤めて冷静なふりをしつつ、一番の謎を解くことに専念する。 「い、一応分かった。しかし、どうして君は二人もいるのだ!?」 前門のエクシードゼスト、後門のスーパーファイヤーダクオン。 どちらも紛うことなくヨッミーだ。 こんな変態がそうそう何人もいてたまるものか。 けれども、それは愚問だ。 超展開書き手、ヨッミー。 彼女のなしえた中で最も有名なネタといえば、あれしかない。 「『正義の味方』」 またの名を繋ぎ師戦隊ブッチギルンジャー。 てつをなとある書き手を用いてやってのけた、同一人物の仮面ライダーで戦隊を組ませてしまうという超展開。 その原作再現さえ使えば、ヨッミーの一人や二人増やすことは造作もない。 ほんと、自重しないな、こいつ。 いったいこれで一話でいくつ能力を使ってるんだ、おい。 「かあくうごーはーできているであるか~?」 「ま、待て、話せば分かる! そ、そうだ! 君にウルトラ警備隊副隊長の称号を」 「問答無用! スーパーファイヤーバーン」 「ぎゃー、火がー! 頭に火がー!」 「まだである、我輩たちの戦いはまだまだこれからなのである!」 「ちょ、おま!? ……おっと、3分経ってしまった。それでは皆、さらばだ! ジュワッ!!」 「「逃がすかあああああああああああ!!」」 地の文のぼやきなんてなんのその、お約束とばかりにゾフィーの頭を燃やすヨッミーその2。 光の国では時間制限もないのに関わらず言い訳して逃げ出すゾフィー。 もちろんヨッミー達は逃がすわけもなく、追いかけっこが始まった。 ――その後ゾフィーがどうなったか。それはまた別の話である。 【ヨッミー@書き手2 離脱確認】 【ゾフィー@クロススレ他 フルボッコ開始確認】 ♪ 「やれやれ、本当にぶっちぎったお方でした」 話を聞くや否や次元の壁に穴を開けて旅立っていったヨッミーのことを思い出し、私は苦笑する。 なるほど、初期位置が大阪府だったという彼が埼玉付近であるこの地の上空を飛んでいたわけだ。 現地調達したジャンボジェット機の試運転だったそうだが見つけれたのは幸運か。 おかげで私達の望みは叶った。 「ねえ、あなたもそう思うでしょう、Kさん」 「ふんっ、俺はフラグさえ折れればそれでいい」 木陰から姿を現したKはにべもなく言い捨てる。 「フラグを折り損なったことで傷ついたプライドを、特大のフラグを折ることで取り戻す……。あなたらしいですね」 「あれだけ見え見えのフラグを立てられたのだ。この俺が見逃すわけがない」 とはいえ、舞台外にはさしもののKもフラグを折りにはいけない。 外部からの介入者の本拠地に乗り込んでふんじばる。 通常のパロロワじゃまずありえない超展開をなすには、ヨッミーはうってつけの人物だった。 故に、近くにいた私に頼み、ヨッミーがゾフィーを倒すよう仕向けたのであろう。 「ヨッミーはヨッミーで奴を探している参加者も多かったからな。一石二鳥だ」 死んだはずなのに何の説明もなく後続シリーズに平気で登場したりもするゾフィーのことだ。 いくら超絶チートでも懲らしめるにはいたちごっこを繰り返すしかないだろう。 事実上、ロワからヨッミーは脱落したと見てもいい。 これでヨッミーに立っていたいくつかのフラグもまとめて折れた。 Kの目論見は大体こんなところか。 「世話になったな、ラブ。フラグを立てないように大人しく去るがいい」 「ええ、そうさせてもらいますよ」 背を翻し、私はKから離れいく。 本当はKにもヨッミーにしたのと同じ質問をしたくはあったのだが。 ◆kOZX7S8gY.。 ジャンプロワ1stから時代は流れ、今や彼は只のフラグクラッシャーとさえ思われることのある書き手だ。 でも違う。 Kが書いた作品はキン肉マンVS志々雄真実をはじめ、そのどれもが単体では完成度が高く、素晴らしいものだったのだ。 すさまじく暴走しがちではあったが、そこには紛れもなく『愛』があった。 でなければ、アヴェスターの名を冠しているとはいえ、ゾフィーへの仕返しともとれるフラグクラッシュに手は貸さなかった。 とはいえ、私ももふもふやロリへの『愛』などこの地ではまだ学びたいこともある。 このチミルフの身体ではもふもふにはほど遠いのだが。 地味ルフやチミフルにならなければそれでいい。 うっかり口に出したりはせず、心の中で思うに留め、私は殺し合いの舞台を駆ける。 参加者達の愛を見極めるために。 ♪ ◆kOZX7S8gY.という名の男がいた。 旗・即・斬という名の信念があった。 その事実を知る者は、今の世界にいかほどか。 その中で、旗・即・斬に『愛』を覚えた者がここに一人。 例えその思想が違えど、『愛』貫くという信念に、揺ぎ無し。 【一日目・黎明/福岡県】 【K◆kOZX7S8gY.@ジャンプロワ】 【状態】健康 【装備】勇者スポポロスの剣@オリ 【道具】支給品一式×2、エリクサー@FFDQ、不明0~4 【思考】基本:旗・即・折 【顔】:るろ剣斉藤 【一日目・黎明/福岡県と埼玉県の境界】 【ラブ・アヴェスター@アニロワ2】 【状態】健康 外見は怒涛のチミルフ 【装備】 【道具】支給品一式、不明支給品1~3 【思考】 1:参加者達の愛を見極める 2:地味ルフやちみふるにはならないように気をつける 時系列順で読む Back まあ、どれだけかっこいいことを言っても姿は虎柄ビキニだけどね! Next 信念という名の旗 投下順で読む Back THE ASASSIN Next ぶっちゃけステルスマーダーって対主催みたいなもんじゃね? SECOND DEATH?いやいや(書き手ロワ)3rdですよ~ ヨッミー フラッグ災苦 K 信念という名の旗 ラブ・アヴェスター ?
https://w.atwiki.jp/jojotoho_row/pages/97.html
月あかりがぼんやりと薄くなってきた闇の中を、小さな影が走っていた。 後先のことを全く考えていない全力疾走。 この場が殺し合いが行われている場である事を考えると、軽率な行動だと言わざるを得ないだろう。 だが、その小さな影――橙は酷く、酷く怯えていた。 彼女とて現状を把握していないわけではない。 いやむしろ把握しているからこそ、酷く怯えているのである。 秋穣子が、死んだ。 否、殺された。 膨らんだ風船を待ち針でつついたかのように、ぱあん、と赤いものを撒き散らして、呆気なく殺された。 幻想郷に置いて死と言うものはそれほど珍しいものではないのだが、このように『殺される』となると話は違う。 その一部始終を見ていた橙は、酷く怯えた。 吐き気にも似た嫌悪感が頭を揺さぶり、心臓は早鐘を打つ。 そうしてそこから何が何であるのかもわからないままに、月が良く見える平原に転送されてしまった。 怖かった。 ただ、ただ単純に怖かった。 幼い橙には、その怖さを表す事さえもできずにただただおびえ、震えることしかできないでいた。 涙があふれた。 拭えども拭えども止まらない涙を流しながらも、橙はただ歩いていた。 そうする以外に、何もできなかったから。 橙が歩く事が出来たのは、未だ彼女に支えとなる存在がいたから。 自らの主である、八雲藍。 橙はあの場に確かに彼女の姿を見ていた。 藍に、会いたい。 ただその想いだけを胸に抱きながら、橙は泣きながら平原を歩いていた。 そしてその想いが天に通じたのか、橙の目の前に、八雲藍の存在が見えて―――― 運命は残酷だった。 「……あっ!!」 疲労からか恐怖からか、脚が縺れて橙は盛大に転んでしまう。 転んだ膝小僧はすり向けて血がにじみ、ずきずきとした痛みが火のように走ってきた。 「うう……痛い、痛いよぉ……」 すぐに立ち上がりたいという気持ちとは裏腹に、さっきまで全力疾走していた疲労と、転んだ膝小僧の傷の痛み、 そして――――八雲藍に踏みつけられた背中の痛みが、橙の身体を拘束する。 「藍……様、なんで?」 思い出したくなくても、頭の中に焼き付いているのは八雲藍のあの表情――深い闇のように何もない、残酷な表情。 あの優しかった八雲藍は、もういないのだと一瞬思ってしまったが、橙にはどうしてもそれを理解できない部分もあった。 ――橙にとって、八雲藍は優しく守ってくれる母のような存在だったから。 優しかった藍の姿と、残酷な藍の表情が交互にフラッシュバックしていき、橙の目からまた大粒の涙があふれていく。 「ううっ……うえ……」 動けない身体で、橙は泣いた。 最大の心の支えに裏切られたショックが、傷ついた体中の痛みが、橙を蝕んでいた。 この場が殺し合いの場であると言う事も忘れてしまうぐらいに、橙はただただ、泣くしかできないでいた。 ――後ろからやってくる、足音にも気付かないぐらいに。 「や…やっつけた!ついにカーズを!やっつけたぞォォォォ!」 激しく、絶望的な戦いだった。 エイジャの赤石の力により究極生命体と化したカーズとの戦い。 ジョセフ・ジョースターはもてる知恵と機転の全てを尽くし、カーズを火山の火口、煮えたぎる溶岩へと叩き落した。 生命を誕生させてきた“地球”ならば、究極生命体と化したカーズを葬ってくれるかもしれない、 という一縷の望みに全てを託したジョセフとシュトロハイムの決死行により、ついにカーズは溶岩の中に消えた…… ――――その、はずだった。 「一体これは……どういうことだッ!?」 ジョセフ・ジョースターはただただ、混乱していた。 今いるこの場所は、イタリアのヴァルガノ島の火口付近ではない。 全く見た事のない場所だった。 それどころかワムウ、カーズとの連戦で負った多数の傷もそんなもの最初からなかったと言わんばかりに完治している。 空に昇っているのは燦々と輝く太陽ではなく、薄明るくぼんやりと光っている月。 夢でも見ているのかと思ってしまうほど奇妙なこの現象。 何が起こったのかを必死で思い出そうとするジョセフだったが、霧に覆われたかのように記憶があいまいだ。 ……いや、それでも一つの奇妙な記憶に辿り着いた。 ――――集めた理由はただ一つ。君たちにはこれから殺し合いを行ってもらいたい 「……胸糞悪いぜ。」 正直、あんな記憶なんか思い出したくもなかった。 しかし思い出そうが思い出すまいが現状が変わるわけでもない。 むしろ現状がどういう状況なのかというのを理解するためには、思い出さなくてはいけない記憶だったのだ。 「殺し合えなんて言われても……そんなのハナから願い下げだぜ。 やっとカーズの野郎をやっつけたってんのに何考えてやがんだあの荒木とか言うヤロー……」 グチグチと文句を言いながらも、ジョセフはいつの間にか手にしていた荷物を漁り始めた。 「地図にコンパスに鉛筆に……ご丁寧なこったね全く……ん?なんだこの紙?」 筆記用具の鉛筆と一緒についていた紙とは違う、やや大きめの畳まれた紙にジョセフは目をつけた。 特に変わった様子もないためジョセフはとりあえずその紙を広げてみたのだが…… 「う、うおおっ!?何なんだこりゃあーっ!?」 ジョセフが驚くのも無理はない。 紙を開いたその瞬間、その『中』から金属バットがゴロリと飛び出してきたのだ。 ジョセフは突然の事態に驚きながらも、出てきた金属バットと金属バットが飛び出した紙を交互にしげしげと眺めていた。 「……なるほどね、これは俺に支給された『武器』ってやつかい。」 確かにこのバットでブン殴れば、骨の一本や二本簡単にへし折れるだろうし、当たり所によっては十分相手を殺す事も出来るだろう。 更に、波紋戦士でもあるジョセフにかかればこのバットに波紋を通して攻撃すると言った芸当も朝飯前だ。 妙に手になじむグリップを握り、ブン、と軽く振ってみる。 荷物の中にはさっきの不思議な紙はもう入っていなかったようで、 どうやらこれが自分の当面の装備となるらしい、という事をジョセフは理解した。 と、その時ジョセフの耳に子供の泣いているような声が聞こえてきた。 「……オバケとかじゃねーよな?」 一瞬背筋に冷たいものが走ったが、行くあてもないジョセフは惹かれるかのようにその泣き声の方へと向かっていた。 すると目の前に、地面に倒れ伏し泣いている小さな女の子が、そこにはいた。 「……なあ、どうしたんだ?」 「ひっ!?」 泣き伏していた橙の耳に飛び込んできたのは、若い男の声。 恐る恐る振り返ると、身長195センチの巨躯の男が心配そうな表情で立っていた。 「泣いてる声がするから来てみたら……こんな子猫ちゃんがいるなんてな、だがもう大丈夫だぜ。」 「あ、あなた……誰?」 「俺かい?俺はジョセフ・ジョースター。通りすがりのナイスガイさ。」 ジョセフと名乗ったその大男は、ニカッと微笑むと橙に手を差し伸べた。 「こんな所でどうしたんだい子猫ちゃん?母ちゃんとはぐれたか?」 「え、えっと、その……」 「っておいおい怪我してんじゃねーか。ちょっと見してみ。」 「え?」 返事に詰まる橙を尻目に、ジョセフはすりむいた膝小僧にそっと触れた。 すると不思議な事に、ジンジンと痛んでいたはずの膝からは痛みが引いて行った。 血の流れていた傷口も、何事も無かったかのようにふさがっている。 「え、お兄さん、今の……何?」 「あー気にすんな、魔法みたいなもんだよ。」 「魔法……」 「それはそうと子猫ちゃん、一体何でこんな所で泣いてたんだ?ここは危ないぞ。」 「…………」 橙は何も言い返す事が出来ない。 先ほど八雲藍に言いつけられた事――参加者の首を持ってくる事をどうにかして遂行したいのだが、今の橙にはそれが出来ない。 目の前のジョセフ・ジョースターという男は、自分の知らない魔法や妖術の類を使うものだと橙は思っていた。 さらに、小柄な橙に対してジョセフの身体はあまりにも大きい。 殺しにかかったとして返り討ちにあうのが関の山だ。 ならば、どうすればいいのか……それすらも思い浮かばないでいた。 気まずい沈黙があたりをつつんでいったが、それを破ったのはジョセフだった。 「なあ、子猫ちゃん。ここは色んなおっかない奴がいて危ないんだ。とりあえず安全そうな場所まで避難しよう。」 「え、でも……」 「なーに大丈夫だって、君を守るぐらいどうってことねーよ。」 「う、うん……」 「よし、決まりだな。さてさてどこへと行きますか……」 そう言うとジョセフは、荷物から地図を取り出して鼻歌交じりに場所を確認し始めた。 その後ろ姿を見ながら橙は、ある事を考えていた。 ――――藍様は、首を持って来いと行った。 でも、今の自分にはそれが出来ないだろう。 ……ならば、どうすればいい? …………誰かに殺させて、持って行けばいいんじゃあないのか? 「あ、あの!!」 「ん?何だい、子猫ちゃん。」 「で、出来る限り……人のいそうな所に、行ってくれませんか……?あの、探してる、人がいて……」 「OK分かったぜ子猫ちゃん。そうと決まればここに近い所というと……うん、北の『人間の里』や『コロッセオ』があるE-4の地点に行こうぜ。」 「はい……」 「んじゃ、よろしくな子猫ちゃん……そう言えば君、名前なんてーの?」 「……橙、です。」 「OK、んじゃこれからよろしくな橙!!」 波紋戦士は黒猫を従え、歩きだした。 だが、彼はまだ知らない。 従えている黒猫は、強制されているとは言えこの殺し合いに乗っている事を。 そして今向かおうとしているその先には、数多くの魍魎達が牙を研いでいる事を。 ……そして、橙の二つ名は、『凶兆の黒猫』であると言う事を。 【E-5平原/黎明】 【橙@東方妖々夢】 [状態]:恐慌状態(少し持ち直した)、膝擦過傷(傷はふさがっています。)、背中に踏まれた跡(痛みは殆どないです。) [装備]:なし [道具]:ランダム支給品、基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:紫様以外の皆を殺す?? 1:ジョセフを人が多く集まりそうな所に誘導する。 2:藍様の所に首を持っていきたい、だけど…… [備考] 参戦時期は後続の書き手の方に任せます。 八雲藍に絶対的な恐怖を覚えています。 第一回放送時に香霖堂で八雲藍と待ち合わせをしています。 ジョセフの波紋を魔法か妖術か何かと思っています。 【ジョセフ・ジョースター@第2部 戦闘潮流】 [状態]:健康 [装備]:金属バット@現実 [道具]:基本支給品 [思考・状況] 基本行動方針:殺し合いには乗らない。 1:橙の探している人を探すためにE-4へ向かおう……あ、誰か聞いてねーや。 [備考] 参戦時期はカーズをヴェルガノ火山の火口にたたき落とした直後です。 名簿を確認していません。 <金属バット@現実> ジョセフ・ジョースターに支給。 太くて長くて堅い、高校球児御用達のアイテム。 丈夫な金属で出来ており、思いっきり殴りつければ骨の一本や二本は簡単にへし折れる。 グリップは妙に手になじむ。 040:Missing Powers 投下順 042:森近霖之助の憂鬱 038:途方も無い夜に集う 時系列順 045:Strong World 026:紫の式は妖しく輝く 橙 072:Trickster ーゲームの達人ー 遊戯開始 ジョセフ・ジョースター 072:Trickster ーゲームの達人ー
https://w.atwiki.jp/nfsnl/pages/37.html
使用可能車種:Porsche 911(991)Carrera、BMW M4 F82 (Razor)、BMW M4 F82、Mersedes-AMG GT 解説 レース一覧 ・チャプター1 チャプター報酬:ゴールド×10 No. タイトル 種類 REP レース報酬 リプレイ報酬 燃料消費 場所 時間帯 備考 編集 1 イベント1 タイムトライアル 60 サーモセンサー - 2 BLACKRIDGE CHANNEL RUSH 日中 編集 2 イベント2 ハンター 60 フューズ - 2 IRONBOAR BRIDGE CHASE 日中 編集 3 イベント3 ラッシュアワー 60 $3,500 - 2 BLACKRIDGE STRIP RUN 日中 編集 4 イベント4 ナイトロラッシュ 60 $3,500 - 2 SNAKE PASS BLAST 日中 編集 5 イベント5 ハンター 60 $3,500 - 2 HARBOUR TOWN PASS 日中 編集 6 イベント6 ラッシュアワー 60 バックプレート - 2 DRY GULCH BYPASS 日中 編集 7 イベント7 ハンター 60 スポーツターボ(レア) - 2 THE SQUARE WEST 夜 イベント必要条件:PR529以上 編集 ・チャプター2 チャプター報酬:ゴールド×20 No. タイトル 種類 REP レース報酬 リプレイ報酬 燃料消費 場所 時間帯 備考 編集 1 イベント1 ラッシュアワー 60 インプットシャフト - 2 BLACKRIDGE CHANNEL PASS 日中 編集 2 イベント2 ラッシュアワー 60 サーモセンサー - 2 BLACKRIDGE STRIP DASH 日中 編集 3 イベント3 ナイトロラッシュ 60 BMW M4 F82 設計図 - 2 HARBOUR TOWN RUSH 日中 編集 4 イベント4 ハンター 60 $3,500 - 2 BLACKRIDGE CHANNEL DASH 日中 編集 5 イベント5 エアボーン 60 Porsche 911(991)Carrera 設計図 - 2 IRONBOAR BRIDGE BLAST 日中 編集 6 イベント6 ラッシュアワー 60 ブレーキディスク - 2 BLACKRIDGE STRIP CHASE 日中 編集 7 イベント7 タイムトライアル 60 $3,500 - 2 BLACKRIDGE STRIP RUN 日中 イベント必要条件:PR574以上 編集 ・チャプター3 チャプター報酬:ゴールド×30 No. タイトル 種類 REP レース報酬 リプレイ報酬 燃料消費 場所 時間帯 備考 編集 1 イベント1 ラッシュアワー 70 $2,500 - 2 CORNERSTONE NORTH 夜 編集 2 イベント2 ハンター 70 ファスナー - 2 BLACKRIDGE CHANNEL PASS 日中 編集 3 イベント3 ラッシュアワー 70 $3,500 - 2 MAPLETREE SHORT 日中 編集 4 イベント4 ナイトロラッシュ 70 ガスケット - 2 HARBOUR TOWN RUN 日中 編集 5 イベント5 タイムトライアル 70 $3,500 - 2 THE SQUARE WEST 夜 編集 6 イベント6 ナイトロラッシュ 70 タンク - 2 SNAKE PASS 日中 編集 7 イベント7 ハンター 70 インテーク - 2 CORNERSTONE SOUTH 夜 イベント必要条件:PR630以上 編集 ・チャプター4 チャプター報酬:ゴールド×40 No. タイトル 種類 REP レース報酬 リプレイ報酬 燃料消費 場所 時間帯 備考 編集 1 イベント1 ナイトロラッシュ 80 Mersedes-AMG GT 設計図 - 2 IRONBOAR BRIDGE BLAST 日中 編集 2 イベント2 タイムトライアル 80 $2,500 - 2 CORNERSTONE SOUTH 夜 編集 3 イベント3 ラッシュアワー 80 ブレーキディスク - 2 HARBOUR TOWN RUN 日中 編集 4 イベント4 ラッシュアワー 80 スポーツタイヤ(レア) - 2 BLACKRIDGE CHANNEL 日中 編集 5 イベント5 タイムトライアル 80 スラストスリーブ - 2 SNAKE PASS BLAST 日中 編集 6 イベント6 エアボーン 80 スポーツECU(エピック) - 2 IRONBOAR BRIDGE DASH 日中 編集 7 イベント7 ハンター 80 クランプ - 2 BLACKRIDGE STRIP 日中 イベント必要条件:PR694以上 編集 ・チャプター5 チャプター報酬:スポーツエンジン(エピック) No. タイトル 種類 REP レース報酬 リプレイ報酬 燃料消費 場所 時間帯 備考 編集 1 イベント1 ナイトロラッシュ 90 スポーツギアボックス(エピック) - 2 IRONBOAR BRIDGE CHASE 日中 編集 2 イベント2 ラッシュアワー 90 スラストスリーブ - 2 THE SQUARE EAST 夜 編集 3 イベント3 エアボーン 90 トレッド - 2 IRONBOAR BRIDGE DASH 日中 編集 4 イベント4 ハンター 90 Porsche 911(991)Carrera 設計図 - 2 BLACKRIDGE STRIP CHASE 日中 編集 5 イベント5 編集 6 イベント6 編集 7 イベント7 イベント必要条件:PR766以上 編集 コメント 名前
https://w.atwiki.jp/yugioh_dl/pages/553.html
伝説の竜騎士が舞い降りる! 一掃せよ!ドラグニティナイト‐アスカロン! 概要 デッキ内容 全20種(UR3種、SR4種、R10種、N3種)メインデッキ:20枚、EXデッキ4枚 カード名 レアリティ 枚数 備考 《ドラグニティアームズ‐レヴァテイン》 UR 1枚 《ドラグニティナイト‐アスカロン》 UR 1枚 エクストラデッキ 《ドラグニティナイト‐ヴァジュランダ》 UR 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。エクストラデッキ 《ドラグニティ‐セナート》 SR 1枚 《ドラグニティ‐ファランクス》 SR 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 《パラレル・ツイスター》 SR 1枚 「ブレイド・オブ・スピリッツ」収録。 《フレンドリーファイア》 SR 1枚 「アブソリュート・インフェルノ」収録。 《ドラグニティアームズ‐ミスティル》 R 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 《ドラグニティ‐レギオン》 R 1枚 《九蛇孔雀》 R 1枚 「ワンダー・オブ・ザ・スカイ」収録。 《ドラグニティ‐アキュリス》 R 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 《ドラグニティ‐パルチザン》 R 2枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 《ドラグニティナイト‐バルーチャ》 R 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。エクストラデッキ 《ドラグニティナイト‐ゲイボルグ》 R 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。エクストラデッキ 《ドラグニティの神槍》 R 2枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 《ドラグニティ・ドライブ》 R 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 《神の摂理》 R 1枚 「クリムゾン・キングダム」「‐ブルーアイズ・エボリューション‐」収録。 《ドラグニティ‐ミリトゥム》 N 2枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 《ソニック・シューター》 N 2枚 「ワンダー・オブ・ザ・スカイ」収録。 《竜操術》 N 1枚 「ブラックストーム・ライジング」収録。 推奨スキル 戦術 関連ページ 有用カード
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/816.html
苦労の末ルイズが呼び出したのは奇妙な金色の物体だった。 形状は正四角錐をなしており、垂直断面には取っ手のように金属のリングが取り付けられている。 ルイズにはそれはただの悪趣味な置物にしか見えなかったが、教師コルベールに自らが呼び出したそれと契約を交わす様強制されてしまう。 当然ルイズは抗議するが、使い魔召喚の神聖性を理由に召喚のやり直しは認めてもらえず、しぶしぶその物体と契約を交わすルイズ。 一瞬使い魔のルーンが浮かぶものの、その物体に吸い込まれるようにして消えてしまった。 当然他に何の変化もなく、奇妙な置物でしかないそれを抱えて失意のなかルイズはとぼとぼと教室へと戻ったのだった。 拳大のそれは手で持ち歩くには面倒であったし、ポケットにも入れ辛い。 そのためリング状の突起に鎖を通してペンダントのように首から下げることにしたルイズは、部屋を出た直後キュルケに。更に教室では意地の悪い生徒たちから己の使い魔を笑われた。 悔しかったが、何も言い返せず、こんなもの部屋に置いてくれば良かったと後悔した。 錬金の授業で爆発を起こしたルイズは罰として教室の片付けをさせられ、更に不機嫌になった。 片づけが終わった後食堂へと向かったルイズは、そこで昼食を取る。 その時ルイズはギーシュがメイドへ絡むのを見かけた。 一部始終を見ていたルイズは、どう考えてもギーシュの自業自得であり、メイドにしているのは八つ当たりでしかないと思ったが、機嫌が悪かったし、平民のメイドをわざわざ庇おうなどと「ルイズは」思わなかった。 その後何事もなく一日を終えて部屋に戻ったルイズは、鎖から首を抜いてその置物を部屋の隅に乱暴に放り出した。 こんなものは持ち歩いてもしょうがない。使い魔が死ねば再召喚できるのだ。虚無の曜日にでも準備してこんなものは破壊してしまおう、と思ったのだ。 そうしてルイズは眠りに就いた。 深夜、熟睡していたはずのルイズはむくりと起き上がり、夢遊病のように部屋の片隅へふらふらと歩み寄ると、そこに投げ捨てられていた置物を取り上げ、自らの首に掛け直したのだった。 ―――同刻、ギーシュ・ド・グラモンは自室にてすやすやと眠りこけていたが、いつのまにか響き始めたノックの音で目が覚めた。 こんな夜中に何事かと思って戸を開くと、そこにいたのはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール嬢その人であった。 ギーシュは彼女を特別意識したことはなかった。 大貴族の令嬢である彼女であったが、魔法無能者の「ゼロ」として見下す家柄だけは良い劣等性、と言う程度の認識しかもっていなかったが、夜遅くに寝巻き姿で自分の部屋を訪れたとなれば話は別であった。 ギーシュは自分に、特に異性に対する自分の魅力には自身を持っていた。 ルイズは同年代の少女たちと比べれば発育は悪い方だ。 しかし、彼女の抜きん出た美少女と表現しても差し支えない容貌は、薄手の寝巻き姿が背徳的な扇情さを醸し出しており、深夜の自室であると言うことと、彼女が高貴な血筋であるということもあって若いギーシュの脳から、抑制心というものを簡単に吹き飛ばす威力をもっていた。 この時点で彼女を拒否する、と言うことは完全に思考から消えていたギーシュであったが、即座に襲い掛かるような真似は彼の美意識が許さなかった。 まずはルイズのはしたない振る舞いをたしなめ、次に彼女にそのような振る舞いをさせてしまった自分の魅力を詫び、しかるのち彼女を「いただこう」と都合の良い段取りを考えていたが、ルイズによってそれは阻まれることになった。 彼女はまず、余計なことを言われないようその愛らしい唇の前に人差し指を立て、沈黙を促すジェスチャーをする。 ギーシュがそれに頷くと、ルイズは彼の耳に唇をよせ囁く様に言う。 「ヴェストリの広場に来て」 そう言って、ギーシュが止める間もなくルイズは歩きさってしまう。 一瞬呆気に取られたギーシュだったが、ルイズはもう少しロマンスのある手順を求めているのだと思い直し自分を納得させた。 肩透かしを食らったが、あせる事はない、ほんの少しお楽しみが延びただけのことだと思って彼は広場へと着て行く服を選び始めたのだった。 彼が広場に着いたとき、ルイズは既に広場の中央で彼を待っていた。 彼女は先程の格好にマントを羽織っただけの格好で、そう寒い季節ではないとはいえ、月明かりの下でそれはいかにも頼りない。 「やぁ、待たせてしまったねルイズ。そんな格好で寒くはなかったかい?」 「良いのよギーシュ、気にしないで。それより、ねぇお願いがあるの」 「なんだい?何でも言ってくれたまえ」 「私とゲームをしましょう」 「ゲーム?」 「そうよ、ルールは簡単」 そう言って自らの杖を取り出すルイズ。 「決闘をするのよ。そして、勝った方は負けた方を好きにできる。ね、簡単でしょ?」 その突然の提案にぎょっとしたギーシュだったが、すぐに理解した。 決闘と言って杖を持ったとして、ゼロのルイズに勝ち目等あるはずがない。 つまりこれは、ただ自分を好きにしていいというのではあまりにもはしたないから、それを繕う為に言い出したゲームなのだと。 勝利の報酬を思ってギーシュは小鼻を膨らませながら、しかしがっついた印象を与えないようあえて反論をする。 「決闘だなんて、かよわい女性を相手にそんな事をする理由がないよ」 「ふふ……そう、理由が必要なの。ならこういうのはどうかしら?貴方は昼間食堂でメイドを叱っていたでしょう?私はあれは八つ当たりだと思うの。だから貴方のことが許せなくて、決闘を申し込むのよ。当然私が勝ったら貴方に罰を与えるわ。どう?」 人は本当のことを言われると怒り出すものである。 自らの所業を八つ当たりと言い表されて、不快に思ったギーシュは彼女にちょっとお灸をすえてやろうと思った。 力によって相手を屈服させてモノにするということに原始的な興奮を覚えたのも事実だった。 「良いだろう。そういうことであれば、君の思い違いを正してあげようじゃないか」 ギーシュは自らの杖である薔薇の造花を取り出す。 ルイズは一歩、二歩、しめて七歩歩いて間合いを取った。 「さ、始めましょう。貴方の番よギーシュ。貴方の手札を呼びなさい」 まったく淀みない口調でルイズは言う。 もちろんこれは勝負などでは無いのだから、彼女が怯える必要などあるわけがない。 しかしギーシュは彼女に怪我はさせないまでも、少し驚かせ、怖がらせてやろうと思った。 「では、使わせてもらおう。僕の魔法を!いでよ、ワルキューレ!」 ギーシュが薔薇を振るうと、その花弁が一枚はらりと舞って、見る間に槍を持ち鎧をまとった女戦士を形作る。 所詮箱入りのお嬢様。この槍を顔の間近まで突き出してみせればきっと怯えて止めてくれと頼んでくるに違いない、とギーシュは思った。 「呼んだわね。では私のターン」 ルイズは杖をマントの内側へとしまうと、入れ替わりにトランプのようなカードを取り出した。その数5枚。 そしてその中から1枚を引き抜いて、空中へと放りなげる。 「【エルフの剣士】を攻撃表示で召喚!」 放たれたカードが光り輝き、まるで召喚のゲートのように広がったと思うと、次の瞬間剣と盾で武装したエルフが現れた。 「な、なんだってぇーーーーっ!!!??」 ギーシュの叫びがヴェストリの広場に響き渡るが、観衆無き決闘の場でそれを聞くものはギーシュ自身と、ルイズしかいなかった。 そのルイズはギーシュの驚愕など僅かも気にかけず更に1枚のカードを手札から抜き取り、手前に置くような動作を見せると、カードは空中にぴたりと固定された。 「更に、場にカードを1枚伏せてターンエンド」 ギーシュはわけがわからなかった。 ちょっとルイズをからかって、その後は勝利の報酬が待っているだけのゲームだったはずなのに、なぜエルフが! エルフ!まさか、エルフがこの学院へと侵入し、ルイズに取り付いたのでは!? 混乱するギーシュへとルイズが促す。 「どうしたのギーシュ。貴方の番よ?何もしないのならこちらの番にうつらせてもらうけれど」 ここへ来ても一切乱れぬルイズの声とは対照的に、動揺が聞いて取れるギーシュの声が返される。 「きっ、君はっ、こんなっ、エ、エルフだなんて!」 「いやねぇ、これはゲームなのよ。そんなに怯えないで。これはあくまでゲームの駒。勝手に行動したりはしないわ」 そう言って【エルフの剣士】を見るルイズ。 その視線を追ってギーシュもそれを観察する。確かに、顔を伏せ静かに佇む其の姿はルイズの命令を待つ駒のようにも思えた。 しかしだからこそ、それを平然と従え、冷たい目でギーシュを見るルイズの異様さがここへきて恐ろしい! 「ルイズ!馬鹿なことはやめるんだ!エルフに組するなんてただじゃ済まないぞ!」 「やめるですって?それは無理よギーシュ。私も貴方も既にゲームの盤の乗ってしまった。決着がつくまでこの盤から降りることはできないの」 「なんだって!?」 辺りを見渡すギーシュ。 しかしヴェストリの広場の外は闇に包まれている。夜だから、ではない。 当然見えるはずの各塔の明かりすらいつの間にか見えなくなっていることにやっと気づいたのだ。 「わかった?貴方は無事にここから出るには、私に勝つしかないのよギーシュ」 「うぅ……」 短い間に様々なストレスに晒されたギーシュの精神は既に限界を迎えていた。 そして耐え切れなくなった心は、眼前の脅威へ全力で攻撃することを選択する。 無我夢中で薔薇を降り、更に6体のワルキューレを造り出し、ギーシュは声を張り上げた。 「ワルッッキューレッ!あのエルフを攻撃しろォォォッ!!」 7体の青銅の女戦士が、一斉にエルフの剣士へと肉薄する。 それを見たルイズは唇を歪めて微かに笑い、小さくこう宣言する。 「トラップカード発動。【聖なるバリア・ミラーフォース】」 ルイズがそう呟いた瞬間、空中に伏せられていたカードが躍り上がって光を放つ。 その光が七つに分かれ、ワレキューレ達を襲う。光が収まった時、ギーシュのワレキューレ達は唯の一体も残さず消滅していた。 「あ、あ……僕の、ワルキューレ……」 呆然と呟くギーシュを尻目にルイズはゲームを続ける。 「そして私のターン。ドロー、並びにエルフの剣士、ギーシュにダイレクトアタック!」 ルイズから初めて下された命令に、エルフの剣士は忠実に従った。 ギラリと手にした刃を光らせて、ギーシュへと襲い掛かる。 「ぎゃああああああああぁぁぁっっ!!!!!」 剣士の刃に切り裂かれたギーシュは、奇妙なことに怪我は負わず、血の一滴もでなかったが、しかし凄まじい痛みがギーシュを襲い、頬が裂けんばかりに開かれた口からは絶叫が放たれた。 「ふ、ふ、ふ、ギーシュ。貴方の負けね……」 痛みにがくりと膝を突いたギーシュに、無造作に歩み寄るルイズ。 エルフの剣士はいつの間にか姿を消している。 「負けたからには『罰』を受けてもらわなくっちゃぁね」 「あ、あ、あ、、、」 恐ろしい恐ろしい恐ろしい。 ギーシュは見た。ルイズが胸に下げたペンダントに刻まれているのと同じ文様の「眼」が、ルイズの額に浮かびあがってギーシュを見下ろしているのを。 「罰ゲーム!」 ルイズが宣告し、その指でギーシュを指し示す。 ずぶり、と音をたててギーシュの精神に穴が開き、その心が穴中に落ちて行った。 ―――次の日、ルイズが自室のベッドで眼を覚ますと、放り投げたはずの千年パズルがテーブルの上に置かれていたので、何故だろうと頭を捻ることになった。 ギーシュは意識不明の状態で発見され、その意識は数日の間悪夢の中を彷徨い、眼が覚めた時には何も覚えていなかったという。
https://w.atwiki.jp/vocaloidchly/pages/712.html
作詞:アヒル軍曹P(AKIJIN) 作曲:アヒル軍曹P(AKIJIN) 編曲:アヒル軍曹P(AKIJIN) 標題:アンテナP 繪圖、動畫:kalP 發起人:PEN 歌:初音ミク ※大部份內容取自アヒル軍曹P(AKIJIN)的真實體驗 翻譯:kankan 新宿血花Over Drive 應該就只是過去的 就這樣什麼都不知道 你應該要變成風景的 你笑了 六月開著花 和你相會 害羞著 變成夏天 就像是八月雨般 應該就只是過去的 就這樣什麼都不知道 你應該要變成風景的 你為什麼有點害羞的 只是低著頭離去 十月吹著風 明天就會 忘記 明明應該那樣的 逐漸被染紅 你的臉在笑 為什麼 染色染色狂氣渲染風景 冰冷鮮紅的流過背後 你笑了 啊啊你用沾濕的臉嘲笑 是什麼在把我染紅 你現在怎麼想 越過鏡片 現在你想起來了 笑 你笑了 字幕、非歌詞: 早上.電車 註:這個故事大致上是真實故事 AKIJIN 睏... 女 啊 AKIJIN 啊... 女 那、那個... 女 我們在哪裡有見過面嗎? AKIJIN 咦!!?(危險人物嗎?) 女 ...沒事、不好意思 我想太多了 AKIJIN 怎、怎麼了嗎? 女 每個月底都一定會在這個車站看到你。 AKIJIN 是、是這樣嗎...(嗚哇...果然是危險人物...) AKIJIN 是從多久以前開始的呢? 女 大概半年吧? AKIJIN (從我開始利用這個車站時開始一直啊...) ※這些MIKU和本篇的人格應該無關 到底是誰? (自家)突發性重聽(事實) 當天的BGM是「さよなら三半規管」by ypl(フレンチP) 女 片耳P...(打打) 10月下旬 AKIJIN 說起來上個月沒碰到呢 女 是啊 AKIJIN 我在住院...。 女 咦咦!!我也是!! AKIJIN 是、是跟蹤狂。我會被刺殺...。 (歸途) Me-lt 女 早安! AKIJIN 我、有點趕所以...。 女 最近好冷淡... (自家) 叮咚 來了- AKIJIN 啊! AKIJIN 什、什麼嘛原來是夢 旁人 沒事吧? AKIJIN 啊、是 女 真的...沒事吧?
https://w.atwiki.jp/niconicomugen/pages/7107.html
……くたばれ紫様!! ぐふっ!! あらすじ 私は八雲紫、下2ケタが17才よ? 八雲紫ことゆかりんたちがが住む「ゆかりんち(ゆかりんをリンチしてるみたいな名前)」。 そこで八雲藍ことらんしゃまがヤリたいほうだいヤる話。 要するに変態動画。 わ~い、紫様のタレ気味のおっぱいと黒色のティクビだ~www 解説 謙虚ですね。じゃあ遠慮無く紫様をリョナって下さい。 八雲藍ことらんしゃまが主人公を務めるストーリー動画である。 一言で説明すると、主にらんしゃま(と他の住人など)がゆかりんを被害者にする動画である。 また、全体としてスカトロ率が異様に高いのもこの動画の特徴。 そのため、そういった下ネタが苦手な人は注意を要する。 なお、この動画には常識人などいない。 ちなみに第三話から立ち絵形式に変わり、それにともない動画の雰囲気も少々変わる。 うp主いわく、個人的には第二部スタートな感じです。とのこと。 そして、2012年4月13日に完結した。 わーい、ゆかりんさんの脱ぎたてホカホカのスケスケパンツゲットだぜ!! 登場人物 + ゆかりんち ウフフッ♪ それじゃーいっくゾォ~☆彡 らんしゃま――主人公。主人に対する態度がひどい。スカトロ好き。 ゆかりん――ゆかりんちの主人。かわいそうなほどの被害者。スカトロは嫌い。 ハーリス――ゆかりんの母親。掴みどころがない。スカトロは普通。 ちぇん――北斗神拳を習っている。スカトロ好き。 宇佐見蓮子――ゆかりんと結婚している。スカトロ好き。 らんしゃまロボ――3話より登場。家事のお手伝いロボットで、スカトロ好き。 オヴェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ + その他 大丈夫ですよ、いざとなったらおまわりさん(ポリ公)に捕まれば済む話ですから。 かみやん――幻想殺しの使い手。結構ロクでもない性格。 現実先生――白きカンバン。異常に強い。 ネコカオス――この動画唯一の原作準拠キャラ。 夢美――らんしゃまロボを作った博士。スカトロ好き。 こまっちゃん――ノリの良い姉御肌。悪ノリをする。 えーき様――弾劾裁判で閻魔の職をクビになる。 ゲイニッツ――アナル大好き。守備範囲は男である。つまりゲイ。 よっちゃん――過去編で登場。らんしゃまを追いかける。 まあぶっちゃけ、留置場や拘置所も入ってみると意外と楽しいですよ。機会があれば是非オススメします。 なるほど……つまり1度のミスで全部棒に振るような人生設計はクソ食らえってコトだねッ!! 関連動画 早苗さんとけーくん 現実先生!! ニフラム!! ギャアアアアアアアアアアアアアアアア コメント 旧66666666ですが、今更になってページを作りました。久々にページを作ったのでおかしな所もありますが、また気力が回復したら直すかもです。 -- 夏目@旧66666666 (2013-02-07 01 01 57) 誤字訂正とタグ追加をしました。 -- 夏目@旧66666666 (2013-02-08 00 17 37) 名前 コメント マイリスト げ、ゲイニッツさんのが俺のアナルの中グチュグチュかき混ぜるッ……!!
https://w.atwiki.jp/ptmm/pages/19.html
のバラツキを考慮 トランジスタによってスイッチング回路を設計するに際しては、 の最小の値を使って必要なベース電流を求め、その3倍程度のベース電流を流すようにする。
https://w.atwiki.jp/powerhandle/pages/18.html
非公式ビルド readline Cygwinでzaurus用にクロスコンパイルしたものです。 readline はコマンドラインに Emacs や vi のような操作性を機能を組み込むライブラリです。 ダウンロード readline_5.2-1_arm.ipk (95,3106B) readline-5.2 [zaurus] md5sum 07f96c6178ee93d4a76c632f089f0440 gcc version 2.95.3 20010315 (release) インストール ncurses に依存します。別途 ncurses をインストールしてください。「ソフトウェアの追加/削除」でインストールします。